まっつん

美しき冒険旅行のまっつんのレビュー・感想・評価

美しき冒険旅行(1971年製作の映画)
3.5
ニコラスローグ監督作品初鑑賞です。ニコラスローグの映画ってなかなかレンタルとかしてないんですよね〜。

とりあえずオープニングからビルが乱立する都会の景色や、発声練習らしきことを全員でやっている奇妙な教室など安易な理解など全く寄せ付けません笑。

そしてあっという間に親父が自殺、そして兄弟は砂漠に放り出されサバイバル開始です。なにより制服姿で砂漠をうろつくお姉さん役のジェニーアガターが何ともエロい...笑 。しかも全裸で湖で泳ぐ!当時16歳!美しい!

この映画で自然(野生)と文明の対比がなされていることは明らかだと思います。狩りや食物連鎖を連想させるカットが挿入されるんですね。アボリジニの少年が一見野蛮な狩りをしている際に現代文明の調理シーンが挿入される....文明人が食事の裏にある動物の死を異様なまでに隠蔽することへの批判だと取れます。

原題の「Walkabout 」はアボリジニの通過儀礼を意味します。本作ではジェニーアガター演じる少女にとっても通過儀礼なわけです。しかし、明確な通過儀礼がもはや形骸化した現代人はアボリジニの少年とは儀礼の達成具合が異なる訳です。故にまだ大人になりきれなかった少女と、求愛することで大人になり切ろうとするアボリジニの少年との関係は非常に悲しい結末を迎えるんですね...悲しい泣。