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美しき冒険旅行のnozomiのレビュー・感想・評価

美しき冒険旅行(1971年製作の映画)
3.9

父親に連れられてオーストラリアの砂漠までやってきた主人公の少女と弟だが、父親が突然自殺し、二人は砂漠に取り残されてしまう。

都会で育った二人は、大自然の中で途方に暮れつつも前へ進んでいくが、水も食料もまともに確保できないままだった。

ある時原住民の少年に出会い、彼は二人に水の湧き出る場所を教えた。

互いに言葉も通じないが、次第に打ち解け一緒に行動することになる。


原作小説「ウォーカバウト」をエドワード・ボンドが脚色し、監督・撮影をニコラス・ローグが務めた。

じりじりと容赦なく二人を照らす太陽、どこまでも続く砂漠と、制服にローファーを履いた主人公と弟というなんとも違和感のある世界観。

この映画の主題は現代社会への痛烈な批判だそう。オープニングの資本主義社会を映した映像とオーストラリアの砂漠の風景が対比となっていて面白い。

広大な自然の中で、二人が非常に無力であることが示唆されていますが、本来あるべき自然の中にいる二人も非常に不自然。

それほどに現代社会は大きく変わってしまったということを痛感する作品でした。
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