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太夫(こったい)さんより 女体は哀しくのchiyoのレビュー・感想・評価

3.5
2022/5/22
三百年の歴史を誇る、京都・島原遊郭の宝永楼。廓に所属する太夫たちは十人十色、中でもメインで描かれるのは、乙羽信子演じる玉袖、淡路恵子演じる喜美子、扇千景演じる深雪。玉袖は太夫の酸いも甘いも知り尽くし、喜美子は廓に売られたことが分からない、深雪は要領の良いちゃっかり者。それぞれが可愛らしく、それぞれに魅力がある。そんな太夫たちを纏めるのが、田中絹代演じる主人・おえい、浪花千栄子演じる仲居のお初。相変わらず、浪花千栄子のちゃきちゃきっぷりが面白い。が、太夫たちの悲哀がテーマではあるものの、玉袖と病に侵された美吉野以外はそれほどの悲愴を感じず。また、太夫道中の前に老いた元太夫っぽい人が登場していたけれど、あの人は一体何者だったのか。
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