広島カップ

たそがれ清兵衛の広島カップのレビュー・感想・評価

たそがれ清兵衛(2002年製作の映画)
3.8
山田監督といえば家族、家族といえば山田監督ですが、本作でも幕末下級武士の家族が描かれています。特に一家の家長であるお父さんを中心とした話。
当時五歳だった娘が大人(岸恵子)になって語る下級武士だった父、井口清兵衛(真田広之)の物語。

妻に先立たれまだ幼い女の子二人と年老いた母親と暮らす清兵衛は、正直者で勤勉で家族思いで貧しいけれど出世欲が無く子供の成長を間近に見て過ごす現在の生活に満足をしている。
そして穏やかな性格の割には剣術に関しては使い手であるところがポイント。

決闘シーンが二回ありますが二つとも緊張感溢れるものになっています。
こうしたアクションは山田監督には不得意なハズなので殺陣師と真田広之の功績が大です。
何発殴ったり蹴ったりしてもちっとも相手にダメージを与える事なく延々と続く昨今のアクション映画に、爪の垢を煎じて飲ませてあげたくなるものでした。

そして肝心の山田監督得意の家族描写の方ですが、身の丈に合った生活を送ることがいかに大切かを感じさせられます。貧しい武士は武士なりに満足して日々を過ごす事が肝要なのだと。
日々真面目にあまり儲からないサラリーマン生活を送る当方の背中を押してくれます。
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