クドゥー

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序のクドゥーのレビュー・感想・評価

4.5
『戦いに選ばれてしまうのか、戦いを選んでいくのか』

テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を再構成して生まれた「新劇場版」4部作の第1部は、日本アニメ史を語る上で最重要のシリーズを劇場映画の文脈に落とし込むことで、世界の美しさを魅せるクオリティの暴力に圧倒されるダークファンタジーSFの最高傑作。

「使徒」と呼ばれる謎の敵と突然戦うことを命じられた少年には余韻も余白の時間も許されず、傷ついた少女の姿から「男の戦い」を見い出すカタルシスで一点突破のドラマを描くが、現実の緊急事態宣言にヤシマ作戦並の実行力があれば新型ウイルスにも対抗可能すらある。

一度地獄を経験しているかのようなオリジナルキャストはその達観自体に意味を持つようであり、今後シナリオがどのように破壊されていくのかは楽しみで仕方がないところだが、「BeautifulWorld」を宇多田ヒカルが歌い続ける限り企画としての勝利は約束されている。
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