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トイ・ストーリー2のkouのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー2(1999年製作の映画)
4.5
《誇りとアイデンティティを確立させる場所》

トイ・ストーリーの続編、前作同様素晴らしい作品でした。持ち主がおとなになった時、おもちゃが壊れてしまった時、いつか遊んでもらえなくなる時が来る。おもちゃがいずれ立ち会わなくてはいけない宿命と向き合ったのが今作だ。

前作で親友となったウッディとバズはアンディと一緒に遊んで平和な時を過ごしている。持ち主アンディがキャンプに行くことになり、ウッディは一緒に連れて行ってもらえると楽しみにしていた。ところが、キャンプに行く直前に腕の糸がほつれてしまい、家に置いていかれてしまう。棚の上でほこりをかぶっていたペンギンのおもちゃ、ウージーがガレッジセールで売られるのを家に取り残されたウッディが助けようとしたところ、おもちゃマニアの男に盗まれてしまう。ウッディを救出するため、バズたちがおもちゃマニアの男のもとへ向かう。

盗まれた先、ウッディは自分のおもちゃとしての価値を知る。ウッディにはプレミアがついていたのだ。アンディの家に戻ろうとするウッディを、博物館行きになっていた仲間たち、ジェシーとプロスペクターは引き止める。もしアンディが大人になったら、ベッドの下に置き去りになり、いつかはガレッジセールで売られてしまう運命が待っているからだ。それを経験しているジェシーの過去は胸が締め付けられる。いつか捨てられる運命より、おもちゃとして大切に保管されて展示される方がいいと訴えるのだ。ウッディはいつか捨てられるという事実を知り、一度アンディの元へ帰らない選択をする。

しかし、バズ達の説得によりウッディはおもちゃとして遊ばれる事こそ自分の存在意義だと気づく。自分はアンディのおもちゃであり、それが幸せなのだと。遊んでいる中でついた傷、色あせた体は彼がアンディと存在してきた証であり、彼の本当の幸福なのだと思う。

トイ・ストーリーは自分の居場所を知る物語だ。たとえいつかアンディに遊ばれない日が来ても、ウッディは自分の誇りとアイデンティティを確立させる場所へ戻っていく。その姿に誰もが感動するのだと思う。

新しいキャラクターもふえ、ハラハラさせる展開も前作同様見事。大人も感動できる名作でした。
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