こういうのを大人のファンタジー映画って言うんでしょうネ。
若い未亡人が一人娘と家政婦を連れて、海辺の家に引っ越すが、そこには元家主の船長の幽霊が住んでいた。
幽霊は早速、未亡人を驚かして家から追い出そうとするが、彼女も一旦住むと決めたらなかなか引き下がらない性格。
かくして、幽霊と未亡人のおかしな同居生活がはじまる…。
監督は「三人の妻への手紙」「イヴの総て」「探偵〈スルース〉」のジョセフ・L・マンキーウィッツ。この人の初期の作品にあたるわけですが、語り口の見事さはこの頃から健在。
若く美しい未亡人役には「ローラ殺人事件」のジーン・ティアニー。この頃のティアニーは本当に思わず溜息が出るほど美しい。
その美しさに次第に惚れてしまう幽霊船長をレックス・ハリスンが演じている。
幽霊と言ってもハリスンですからね、これがまたダンディーな雰囲気を醸し出している。
幽霊と女性の恋物語というと、のちの「ゴースト/ニューヨークの幻」を彷彿させるが、また切り口がチト違う。
物語はティアニーに言い寄るプレイボーイ(見るからに色魔のようなジョージ・サンダースが演じてる)が登場し、彼女も彼の言葉巧みな口説き文句に、やがて恋心を抱いてしまう。
二人の姿を見た幽霊のハリスン船長はある決意を固めるが、ここから先は本当に胸を打つ展開が続く。
ラスト、二人が手を繋ぐシーンは感動的!