ジャイロ

ヴァリエテのジャイロのレビュー・感想・評価

ヴァリエテ(1925年製作の映画)
4.0
この映画、1927年度の第4回キネマ旬報「外国映画ベスト・テン」で第2位ですって

ふうん

で?

1位は?


調べました


第1位は『第七天国』

しまった。そっちかあ。サイレントの棚で、隣に置いてあったんだよなあ。ようし、こうなったら来週は天国をレンタルで!!

DVDを再生すると淀川さんの解説から始まる

淀川長治さんの世界クラシック名画100撰集(30)


淀川さん「リア・ド・プティが美人でも無く、不美人でも無く綺麗でも無く、汚くでも無くと言う女でね」

淀川さん…ちょっと歯に衣、着せなさ過ぎじゃない?

淀川さん「ちょっと小太りの若い女でね」

悪気は無いんだろうなあ



『ヴァリエテ』



「囚人番号28番を呼べ」

重苦しい始まり。あれ?これ曲芸団の話なんじゃなかったっけ?雰囲気あるなあ。のっけからガシッと掴まれます。

そして安心してください

ちゃんと曲芸団してました。

奥さんが出てきます。旦那さんが出てきます。仲の良い夫婦じゃないですか。旦那さんの方がベタ惚れしてますね。そして空中ブランコです。そこに売れっ子の空中ブランコ芸人アルティネリさんが加わるんです。

あれ?

これ命綱つけてないよね。

しかも観客の真上で宙を舞ってる。ネットも何も無い。落ちたら大惨事になる。

あっ!!!

目隠し!というか麻袋被った!!オバQみたいになって空中ブランコしてる!!!!まあガチャピンでも出来そうだから、やれば出来るのか。

でもすごいなー

すごいよ

空中ブランコの、落ちるんじゃないのこれ?ってスリルが伝わってくるからすごい。久々にサーカス見に行きたくなりましたね。

この色男アルティネリが、リア・ド・プティ演じる奥さんを狙うんです。もうね、あっという間。色男だから簡単に落ちます。こわっ!!!何これ、一気に不快感MAX。旦那と奥さんと色男がテーブルを囲むのですが、色男と奥さんは目配せで合図します。知らぬは旦那ばかり。非道いなあ。これは非道い。

やがて旦那さんにバレます

バレてるのを知らない奥さんと色男は、旦那の目を盗んでちちくりあうのです。絶望の旦那さんと、できてる二人。この三人で、身の毛もよだつ恐怖の大空中ブランコが始まるのです…

((( ;゚Д゚)))アワワワワ…

何この緊張感。すごいんだけど。エルンスト・ルビッチに見いだされたというエミール・ヤニングス。『嘆きの天使』の演技も凄かったけど、本作での鬼気迫る演技はとにかく素晴らしい。あの目!!あの顔!!!憤怒の形相とはまさにこのことか。

“おこ“です

“激おこ“です

ここまでのプンプン丸は、そうそう観られないんじゃないかな?あの怒り、仏像とかで見たことがあるレベル。怒りを体現してる…。怒りの化身と言ってもいい。ゴゴゴゴって聞こえてきた気がした。サイレントなのに…。すごいなあ。

ラストの追いすがりも、こんなの見たこと無い(笑)これ、伝説になる…

ラストシーンに刻の涙を見た…

いやぁすごいもん観た💦