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この子の七つのお祝にのunknownのレビュー・感想・評価

この子の七つのお祝に(1982年製作の映画)
3.1
岸田今日子の怪物感が凄い。完全に岸田今日子の存在だけで成り立っている映画。子供の頃に観たら楳図かずお「へびおばさん」並にトラウマになってただろうなー...

岸田今日子が自分の娘・麻矢にあの独特のヴォイスで「大きくなったらお父さんを探して復讐してね」って語り聞かせるだけで怖すぎなのだが、その父が写ってる写真は父の顔の部分だけ針をぶっ刺しすぎてぐちゃぐちゃになっててヒイイイ...って感じで。挙句の果てに岸田は娘が寝ている傍で首と手首を搔っ切り自殺、血みどろの状態で娘に発見される。

しかも実は娘・麻矢は赤ちゃんの頃に岸田がかっさらってきた、夫と別の女性との間に産まれた子供・きえだったという恐怖!すなわち岸田は、自分の娘として育てた全く血のつながりのないきえに、きえの実父(自分を捨てた元夫)を殺させようとしていたという...😨

でも父も殺されても仕方ないようなほんと酷い奴なんだよな。。戦争終わった後、中国から引き揚げる際に偽名を使い結婚した岸田今日子との間に娘・麻矢を授かるものの、その麻矢がネズミに喉を噛み切られて死亡...(やり切れん!)すっかり心を病んでしまった岸田を見限り酒に溺れる父は、戦前に実名で結婚していた元妻の所に戻り元妻との間に娘・きえを授かる。いったんは手切れ金を受け取り納得したかに見えたものの、完全に心神耗弱してしまっていた岸田は、きえを誘拐し身をくらます。

って、ここだけ見ると岸田も悪いは悪いんだけど結構同情しちゃう点もあるわ…

・疑問点
赤ん坊のとき「父、母(岸田)、赤ちゃん(麻矢)」の手形を押した紙(終戦直後で写真は撮れなかったので代わりに手形を押した。)を、幼き頃から何度も何度も見るうちに手相も見れるようになった麻矢(として育てられたきえ)は、なんやかんやあって成功して実業家になった父の手形を「こいつが私の復讐すべき父だ!あの紙に押してある手形と一緒だ!」と分かった位なのに、紙に押してある手形、麻矢(故人)の方の手形だったんだけど、そこは「自分の手相と、この紙に押してある赤ちゃんの手相、違う!」って思わなかったんかなー?って。手相って成長しても大きくは変わらないよね…?🤲
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