垂直落下式サミング

この子の七つのお祝にの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

この子の七つのお祝に(1982年製作の映画)
3.2
良くも悪くも多くの問題作を生んだ松竹迷走期のトラウマ映画のひとつ。角川春樹製作ということで、映画としてのルックは一連の作品のなかでもリッチな風格を湛えている。
岩下志麻さんの台詞回しがとにかく怖い。棒読みなのがかえってわざとらしくて、そのギョロリと開いた瞳にすべてを見透かされているようだ。
不気味で不条理で不謹慎なストーリーと、見るものをぎょっとさせるショック演出。『震える舌』と同じで気持ち悪くて見続けるのが嫌なのに、何故か悲しい後味を残す変な映画。