そのじつ

この子の七つのお祝にのそのじつのネタバレレビュー・内容・結末

この子の七つのお祝に(1982年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

増村保造監督作を初めて見た。こちらが最後の映画になるのかな。

「兵隊やくざ」一作目も監督されている。
何年か前にジャケットがやけにカッコいい映画を見つけて喜んでいたが、この方の作品が多数だった。「からッ風野郎」とか「青空娘」とかタイトルもイカス(^^)

さておき、本作はキャストの顔ぶれが地味に豪華でよかった。岩下志麻、岸田今日子、辺見マリ、畑中葉子…根津甚八、杉浦直樹、村井国夫、芦田伸介、室田日出男、小林稔侍、名古屋章、坂上二郎!

なんというか、セリフの言い方などが非常にお芝居っぽくて、舞台劇を見ているような。すごく懐かしく感じた。
杉浦&岩下のラブシーンなんかホント。リアルさはなくて、セリフに込められた意味の応酬みたいな、今見ると不思議な感じ。

構図の取り方や、影の濃さなど、マンテーニャやティントレットなどのバロック絵画のようで、今見ると斬新なようなアナクロなような。
大野雄二の音楽と相まって、横溝感も少し漂ってたが、ラストのどんでん返し、母田は知っていた!の悲しいくだりが狂的な横溝の重力から放たれた感があり、良かったかも。

導入は、政治家がらみのキナ臭い陰謀話かと思いきや…
複雑な過去と常軌を逸した復讐の物語でした。

一口で簡単に言うと「古くさい」けれど、昭和生まれ、80年代の風俗が懐かしい中年の人間には、真っ赤な血が噴水のように飛び散るスプラッタシーンとか、いかつい昭和の男優陣とか、色気がムンムンの女優陣など、あぁ自分の時代だなぁと思ってしまう。

たとえば、池端良子がストーリー上なんの必然性もなくおっぱいを出して死んでいたのは何故か?
それは演じたのが畑中葉子であったから、おっぱいを出す必然性があったのだ!とか…というのは冗談ですが。…昭和なんです!
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