苺

この子の七つのお祝にの苺のネタバレレビュー・内容・結末

この子の七つのお祝に(1982年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2018年7月22日
ニコ生ホラー百物語で鑑賞


岩下志麻がね、好きなんですよ……
美人さんだよね( ᷇࿀ ᷆ )
いやほんとお着物の似合うこと…!

『震える舌』に続いてずっと見たいと思っていた映画
まさか一晩で両方とも見れるなんて〜!って思ったけど夜が明けたのでさすがにしんどかった…


母だと思っていた人から娘への洗脳劇

幼い子どもにいかに父親が憎いか復讐してほしいかを刻み付けるための方法が冷静に考えると相当エグい…
・毎晩父が悪いと吹き込む
・火傷を負わせる(傷見たら思い出す)
・正月に自殺する(正月のたび思い出す)
・晴れ着を着させる(晴れ着着るたび思い出す=めでたいことができない)
・朝起きたら隣で死んでる(毎朝起きるたび思い出す)
・血だらけで死んでる(生理のたび思い出す←劇中発言あり)……

生理のたび、というのが女の陰湿なドロドロした部分を表しているようでなんとも言えない〜!
良きです……


ずっとお母さんの教えを信じて守って約束を果たそうと生きてきたのに、実はその女性は母親でもなんでもなくて、自分は誘拐された子どもで、復讐なんて無意味で、無関係の女の憎しみを背負って生きてきたのかと、復讐のために覚えた手相、愛した人さえ復讐のためにこの手で殺したのに、私の人生は…一体なんだったの…?
となるラストは胸が締め付けられました

と〜りゃんせ、と〜りゃんせ…
こ〜こはど〜この、細道じゃ〜…
と、母だと思っていた人が歌ってくれていた子守唄をボソボソと口ずさみながら、かつて母だと思っていた人と住んでいたボロ屋で絶望する岩下志麻
かける言葉がございません…
お母さん!お母さん!!
そりゃ気もおかしくなりますわね

しかも実はボロ屋に住まなくてもいいくらいのお金はあったっていうね
わざと惨めな生活をさせてより一層自分を捨てた(と聞かされてた)父を憎むように仕向けてたんやね
うーん、岸田今日子の執念すごい


ニコ生で見たので始終コメントが目に入るのですが、その中に「でもお母さんは七つまで愛情持って育ててたと思う」みたいなものがあったんだけど、私は違うと思うなぁ…!
憎い憎いあの人の子と毎日毎日思いながら七つの正月を楽しみに(心の支えに)生きていたと思うよ
苺