《武士道とは》
前作「デッドマン」ではウィリアム・ブレイクの詩と人生を西部劇を融合し、映画全体を詩のような作品に仕上げていた。今作ではラップと侍、「葉隠」を融合し、不思議な世界観を作り上げていた。ジム・ジャームッシュでしか作れない不思議な作品だった。
ビルの屋上に住む黒人ゴースト・ドッグ(フォレスト・ウィテカー)は日本の武士道に心酔し、「葉隠」を読む。彼はマフィアに殺し屋として雇われている。ある依頼から彼自身が逆に命を狙われることになる。独特なテンポで物語は進んでいく。
オフビートな世界観は今作でも見られる。マフィアのボスたちのやりとりは見ているだけで笑える。そして侍の死生観というのをフォレスト・ウィテカーが演じることで奇妙な雰囲気を生んでいる。その世界観に余韻が残る作品になっていた。