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大学は出たけれどのtetsuのレビュー・感想・評価

大学は出たけれど(1929年製作の映画)
3.0
大学のオンライン課題で鑑賞。

大学は出たものの、仕事に就くことができない主人公。
そんな彼を心配した婚約者は、いかがわしい仕事を始めてしまい……。

小津安二郎監督が初期に手掛けたサイレント映画。
本来は70分尺の作品であるが、現存しているのは11分のみになっている。
(なぜか、YouTubeでは16分版があったので、今回はそちらで鑑賞。)

主人公の母が上京してくるという展開に、なんとも『東京物語』っぽさを感じたものの、「主人公が就職できない」という設定があまりにも、自分の現在の境遇にハマりすぎて全く笑えませんでした。笑
(筆者は、現在、絶賛就職活動中です。)

まぁ、それはさておき、
婚約者の女性が「カフェ」で働くというだけで、一気に焦る主人公という設定に疑問符を持っていたら、そもそも、この当時の価値観が現在と違っていたようで……。
「カフェー」という名前で呼ばれていた喫茶店(特殊喫茶、社交喫茶とも呼ばれる)では、どうやら、現在のガールズバーに近い、営業形態をとっていたそう。
作品自体の内容は、そこまで印象に残りませんでしたが、その事実を知れたのが、本作における一番の収穫でした。笑

参考
カフェー (風俗営業) - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%BC_(%E9%A2%A8%E4%BF%97%E5%96%B6%E6%A5%AD)
(「純喫茶」は、これに対抗する言葉として、作られたそうです。)
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