暗い色調の里山の風景、寂しげに吹く風と、響く枯葉の音。そこに体を労わりながら歩くおばあちゃん。タイトルに反して、冒頭はいろどりのない寂しい風景が広がる。
過疎化に悩む徳島の上勝町。野菜も売れず名物の果物も採れず、町はどんどん貧しくなっていく。人の心も貧しくなるかと思いきや、町に無限にある資源・葉っぱを料理の添え物にされる つまもの として売りに出したことにより、ビジネスとして成功していく。
地域活性を主にした話かと思いきや、葉っぱビジネスの展開とともに、町の高齢者・薫の生き方が主になっていく。
高齢になってから自分のやりたいことを進んでいく姿は、スイス映画の『マルタの刺繍』を思い出す。
しかしマルタの刺繍と違うのは、マルタは若い頃得意だった刺繍をビジネスにしていくが、薫は知識もない『つまもの』のビジネスを始めていく。
高齢になっても、何か専門的な知識や経験がなくても、情熱があればそれは知識や経験にも勝る。まさに劇中の台詞『一生懸命より上なものはない』と自分を奮い立たせてくれる。