ベニスに死すやルートヴィヒなどで知られるルキノヴィスコンティの晩年の作品。孤独な老教授の元にとある“家族”がやって来る話。
撮影、セット、そしてヘルムートバーガーがとても美しい作品でした。今作は同性愛者のヴィスコンティと歳を取った彼の想いが強く滲み出ており、なおかつ自らをヴィスコンティの未亡人とも言ったヘルムートバーガーの魅力が爆発した作品だったため、ヴィスコンティのパーソナル部分が映像に落とし込まれています。老教授が主人公という点はベルイマンの野いちごを彷彿とさせたし、切ない描写も多く、あの映画と今作はとても似ていました。もう5分から10分くらい短い尺でも今作は成り立たった気がしますが、それでも良い映画に変わりはありません。美しい撮影、セット、俳優が見たい人にはオススメ出来る作品です。