このレビューはネタバレを含みます
アパートの上階を他人に貸す、老教授の話。
主人公が悠々自適な一人暮らしを満喫する中、突然、上階を貸す様に頼む男女が現れると。
何だかんだで主人公は上階を貸す事になるわけですが、この男女が異常に馴れ馴れしいわ、図々しいわで、見ていてイライラさせられる作品でしたね。
ただ、その中でも男の1人は美術の教養があって、話せば分かる事もあるんだなと思わされたし、この男女の正体も気になって、結構引き込まれて見てしまいました。
しかし、終盤になると、政治的な口論が始まるし、特に男女の秘密やアパートを借りた理由が明らかにされるわけでもないので、個人的には肩透かしだった印象。
主人公自身は「家族になれて良かった…」みたいな結論に至ってましたが、そんな幸せだった様には見えなかったし、あまり共感は出来なかったです。
そんなわけで、モヤモヤが残る作品でしたが、YouTubeで町山さんの解説を聞いて、そういう話だったのか~と色々と納得。
男の裸が映されたりと、妙にBL感のある演出が気になってはいたのですが、監督自身がバイセクシュアルだったのですね。
ルキノ・ヴィスコンティ監督の個人的な話でもあるし、当時のイタリア社会が反映された話でもあるので、なかなか初見で理解しきるのは難しい作品かなと。
出来る事なら、解説までセットで見て欲しい作品です。