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ゴッドファーザーPART IIのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.5
どんどん人相が悪くなり冷酷非情になっていくマイケル。

そうまでして守りたい「ファミリー」とは何なんだ。
シチリアの古いしきたりと妻に言われる。
長年の参謀(養子兄弟)からも非情さに呆れられる。

あの哀しく美しいメロディーはシチリア島が出てくる時だけ。思い出は美しいが哀しみも思い起こされる。

母国での暮らしが貧しく搾取されていたから成功を求めアメリカへ移民してきたイタリア系移民たち。団結しなければアメリカでも生きていけなかった。農業等の第一次産業に従事していた者が多かった移民にとって、都会のニューヨークでは自分達が入り込める仕事が少なかったんじゃないかと推測。移民の町(リトルイタリー)の中で、移民相手に稼ぐしかなかった。

当時マフィアは必要悪で、警官より信頼できる同じ出自のよろず相談の民間解決係。人間関係のもめ事も経済的な苦労も長期の貸し借りで縁を繋げる互助会のような組合のような形から始まったのかな。貸し借り、義理と人情が物言う世界。しかし力が集中し、権力者となり、富を集中させ、町を支配していく。まるで母国で自分達を牛耳っていた領主のように。

貧しく搾取された村から逃げ出ても、他に幸せになれるモデルがなかったから、同じパターンを踏襲していくんだろうな。

妹のコニーがよかった。正直で苦労人、人間が大きくなっていった。

父の強さの真似ではなく心の広さも見習ってほしいとコニーは男兄弟の喧嘩やマイケルの非情さに釘を刺す。コニーの方が「ファミリー」をわかっている。

マイケルは小者だったのか。

ファミリーの中で守られ、可愛がられ、マフィアとは一線を引いて堅気として育てられた。父親の考える「ファミリー」は子供に麻薬を売らない等、倫理的、道徳的に筋が残っていた。マイケルの論理的な筋とは異なる。義理と人情があるのが「ファミリー」。
しかしマイケルのしていることは…

これではPART3に続く終わり方。もやもや。

時代の変化に伴う新たな展開があって面白かった。父とマイケルの生き方を並行させているのはよかった。父も最初は泥棒もした。殺人もした。デ・ニーロが若い頃の父役。存在感あって愛想があり大物感ある。アルパチーノは真面目過ぎる役だから笑顔が全くないのが対照的。
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