HicK

ゴッドファーザーPART IIのHicKのネタバレレビュー・内容・結末

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

《リーダーとは…》

【また、キャパが試される】
前作同様、何回見ても細かな内容は忘れてる。今回は更に人物関係を頭に入れるのが本当に大変。サラッとメンションされた人物や背景がキーになってたり…。短期記憶が劣っている自分にとってはつらい。あと、物語とは関係の無いようなシーンの挿入も多々あり、後の伏線・口実にはなるシーンだが、そのカットインで集中力が途切れたり…。

鑑賞者としてのキャパを試されてるみたい 笑。間違いなく落第 笑。

【前作を踏襲した冒頭】
前作はウェディング、今作は聖餐式。前回同様にパーティーシーンの中に人物紹介やら伏線が詰まっていた。しかし、今作はかなり攻撃的なマイケルが描写されている。前作のヴィトーの「信頼」「情の厚さ」を描いた冒頭とは対照的で面白い。とても似たシーンなのに真反対の描写。

【2人のドン】
父のサクセスストーリー。更に堕ちていくマイケルのストーリー。2つの対照的な物語の同時進行はやはり今作最大の魅力。

なぜ2人はこうも違うのか。フレドやケイへの扱いで理解できた。ファミリーへの情の厚さ・器の広さ、妻への愛を持ったヴィトー。一方、利用価値での判断を優先、家族への愛は二の次のマイケル。2人とも人を殺すという冷酷な手段を選ぶ時もあるが、家族の前では"父"になったヴィトーに対し、家族の前でも"ドン"だったマイケル。そこが最大の違い。

【またもやゾクっとするラスト】
そんなマイケル自身が自ら悲劇を招き、人が離れていき、ついにはファミリーさえも殺害。とことんドン底を突き進むラストはインパクトがデカかった。前回でもヤバいダークエンドだと思ったが、さらに下があるとは 笑。

【総括】
『ヴィトーとマイケル。立場は同じなのに、結果が全く違う。それはなぜでしょう?』という投げかけで結ばれた本当に面白い構成。「リーダーとは」という普遍的なテーマとして見ても素晴らしい内容だった。

でも、個人的にはパート1の方が好きかな。前回終盤の"落下速度"はやっぱり別格。

ラストシーンでマイケルは何を思ったのだろう?。「思えば、あの頃から周囲とは合わなかったなぁ」なのか「あの頃はまだ良かった」なのか…。

本当に終盤の闇落ちフィナーレが面白いシリーズ。
HicK

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