シュローダー

ゴッドファーザーPART IIのシュローダーのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.8
前作に負けず劣らずの名作。それどころか、ありとあらゆる"続編"の中でも、トップクラスの完成度ではなかろうか。前作でも非常に強調されていた"対比"の妙が、今作ではヴィトーがアメリカに渡り栄華を極めていくまでの物語と、マイケルがドンの座に就き、裏切り者を粛清していく過程で、人間性を喪失していくまでの物語を同時に語るというより直接的な方法で描写されていく。つまり、マイケルが堕ちて行けば行くほど、ヴィトーは成り上がって行くのだ。非常に意地悪である。そして、役者陣の演技は更に見所たっぷり。特に凄いのが若き日のヴィトーを演じたロバートデニーロ。年月が経つごとに徐々に喋り方や仕草をマーロンブランドへ寄せていくという究極のメソッド演技を見せてくれる。アカデミー助演男優賞をいきなり取ってしまうのも当然であろう。前作から続く"アメリカ批評"というテーマも、マイケルの非人間的な姿から非常にわかりやすく伝わってくる。総じて、映画史に残る傑作である事は間違いない。僕は「市民ケーン」や「ゼアウィルビーブラッド」や「ソーシャルネットワーク」の様に、「全てを手に入れていく男の人生の果てに待ち受ける孤独」を描いた映画が大好きなのだと改めて思えた。