TaichiMurakami

ゴッドファーザーPART IIのTaichiMurakamiのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
5.0
不朽の名作ゴッドファーザーの続き。

父を継ぎ家族を守るべく奮闘するマイケルと、家族を殺され故郷を離れたのちに偉大なるドンになっていくヴィトが交互に描かれる。

マフィアのドンとしてマイケルもヴィトも家族を守るべく奮闘しているにもいる点は共通しているものの、勢力を拡大していく中での父と子に大きな違いがあるのが本作で最も肝となる部分だと個人的に思う。ヴィトは裸一貫からのし上がっていく過程で妻や家族、クレメンザやテッシオ、近所の人たちからシチリアの恩人トマシーノまでみんなから愛される一方、マイケルの場合は抗争に勝てば勝つほど家庭からも仲間からも恐れられていく。時代の違いなのか、義理人情の違いなのか、この対比こそがこの作品の大きな魅力である。最後のシーンで家族団欒のひと時が出てきて、最終的に一人スープを空虚な目で飲んでいるのが良い。あんなに嫌がっていた家業を継いで、挙句孤独になっていくのは悲劇としか言えない。

マイケルを演じるアルパチーノは前作同様の冷酷ぶりを見せるし、ヴィトの若い頃を演じたロバートデニーロは、一作目のマーロンブロンドのしゃがれ声でイタリア語を話し、すでにこの時から大物ぶりを出している。

なお、敵役として出てくるハイマンロスやフランクペンタンジェリも良い味を出している