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ゴッドファーザーPART IIのYYamadaのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.6
戴冠!アカデミー作品賞】
 第47回 (1974) アカデミー6部門受賞
 (作品/監督/助演男優/脚色/美術/作曲)

〈見処〉
①2つの時系列によるファミリーの対比
・前作『ゴッドファーザー』の後日談となる家長マイケル・コルレオーネと、前日談となる若かりし頃の元家長ヴィトー・コルレオーネ。2つの時系列を対比させ、ファミリーの悲哀を描き出す大傑作。
・パチーノ演じるマイケルの物語はキューバ独立直前の政治混迷期。豪腕なマイケルの立志伝は家族離散を招き、デニーロ扮する、若き日の父ビィトーは自身の利益を最優先としない実直な行動が周囲の尊敬を集めていく。
・『パルプ・フィクション』『メメント』『タイタニック』など、現在は複数のタイムラインを織り交ぜる映画手法は目新しくないが、その発明は、本作によるコッポラ監督に拠るところが大きいはずだ。
・ちなみにコッポラ監督は、当初若きヴィトーをマーロン・ブランドにオファーしたがギャラ合意に至らず、前作オーディションで不採用だったデ・ニーロを抜擢する。
・本作におけるデニーロの演技は圧巻。特に、若きヴィトーが雑貨店の職を解雇され、妻にその事実を語らずに長男ソニーをあやすシーンは神がかっていると思う。自分が見た映画作品のNo.1演技である。
・本作で飛躍したイタリア系の二大俳優、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロ。本作の次に共演するのは、1995年公開の『ヒート』。『ダークナイト』のモデルとなった作品である。最近では、Netflixの『アイリッシュマン』も記憶に新しい。

②アカデミー連続受賞
・コッポラ発案によるが、シリーズ作品のタイトルに「Part II」を使用した大作映画は本作品が最初、以降、続編をナンバリングするのは、ハリウッドの伝統となる。
・またアカデミー史上、シリーズ作品の作品賞受賞は、未だ本作だけ。
・更に、同一配役でアカデミー賞を受賞歴があるのは「ヴィトー・コルレオーネ」と「ジョーカー」の2例だけのはずだ。

◆アカデミー作品賞 受賞作の中の
 本作のポジショニングは …
★★★★★ 芸術性
★★★★☆ 社会風刺・メッセージ
★★★★★ ストーリーライン
★★★★★ 革新性
★★★★★ 演技・演出

★★★★★ 総合評価 (独断と偏見)
アカデミー作品の中で、二番目に素晴らしい作品だと思う。いま見ても、10年後に見ても変わらない永続性がここにある。
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