つーけい

ゴッドファーザーPART IIのつーけいのネタバレレビュー・内容・結末

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

あの第1作があってこその今作ですが、これは名作です!
1で感じたマフィアとして生きるもの哀しさがより表に出ていて、なんともやるせないのです。

鬼の形相で命をかけて幼いビトーを守った母や、愛するものとのすれ違い、前は毛嫌いしていた家業に自分がすっかり浸かっていること、唯一信じられる家族の裏切り、家業に関しては天才的だった父との隔たり。計画はうまくいかず、状況は悪くなるばかり。ひとつ解決したとしてもきっとまた次が生まれる。迷い、葛藤しても、なお救われず、次々と困難が立ちはだかり、ますます孤立していく。家族を本当に守ろうとしたのは、マイケルかケイかで言ったら、後者であったと思います。だからこそ、1番家族を守りたかったマイケルが守れなかったからこそ悲劇なのです。かつて食卓を囲んだ家族が次々と死に、そのうち2人は自分で手をかけた。家族を守ろうと家業を継いだマイケルが、まさにその家業によって家族を失う。。

前半のパーティーのシーンが秀逸。この映画のすべてが示されています。1では鮮やかなコニーの結婚式であったのに対して、陰鬱な影をおとした悪いことの前兆のようなパーティー。マイケルは周りよりも若かかった。時代も昔とは変わっていた。フランクが楽団にイタリアンミュージックを演奏させようとしたが、理解されず笑い者になる。上院議員からは暴言を吐かれる。父の時代周りにたくさんいたイタリア系移民はどこかへ消え、彼らを支えた家業はもう歓迎されず、忌み嫌われる存在となる。コニーもフレドも父がしつこく言ってきた家族関係がとにかく悪い。

側から見れば大物マフィアの栄枯盛衰の話かもしれませんが、状況は違えど、どこか私も共感してしまう。すごい映画です。
細部への作り込みが凄いのは相変わらず。
私的には2がより傑作。でももう1回観たいのは1かな、、
つーけい

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