ろく

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカのろくのレビュー・感想・評価

4.0
あの頃「ぼく」は若かったシリーズ④

アキ・カウリスマキのオフビートな笑いを見るとニヤニヤしてしちゃう。

もうね、オチをしっかり言わないのにコントが進んでいくとこが大好きなのよ。日本で言うなら矢口監督のそれね。ギャグもしっかり語らない、そもそも彼らは何も語らない。これは引き算の楽しさんなんだ。そこが何ともいいじゃない。

好きなギャグシーン
①ハゲなのにレニングラードカウボーイズに入りたがる奴。頭のあのちょびがリーゼント
②車開けると大量のビール缶
③車に全員乗れないから二人は後ろのトランク
④食べ物ないって言うとジャガイモだけなのになぜか犬にはステーキをあげる
⑤ハゲが頭に靴を載せてリーゼント
⑥今は太陽が大事だとか言ってあの集団がみんなビーチで日光浴。異様。

いやまだまだあるしこっちの理解不足でよく解ってない時もあるんだけどそれがまた面白いんだよ。フィンランド発オフビートコント映画としてとらえるならもうこんなの笑けてくるじゃない。

なのに音楽シーンだと結構恰好よくてあがるんだよねえ。僕の中では氣志團とブルース・ブラザーズ足して2で割った感じ。劇中では「へたくそ」とか言われているけどいやいやそんなことないって。特にイージーライダーの「ワイルドで行こう」なんてあがる上がる。あんなの歌われたらもうダメですよ。

特にこれと言った主張があるわけでないの。でもそれでいいんだ。レニングラードカウボーイズがアメリカに行ってコントして歌いまくる。それだけでもう満足じゃないか。当時観たときに、「こんなに中身なくていいのかよ」と思ったけどそれでいいのよ。だって心地よいんだもん。心地よさにそのまま身体預けてニヤニヤして。

久々に観てやっぱりこのぬるさサイコーってなる。ぬるい万歳!レニングラードカウボーイズ万歳!アキ・カウリスマキ万歳!

※当時は「モーゼ」と二本立てで文芸坐で見た。たしか文芸坐2。アンパン食べながら見てたのを思い出す。
ろく

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