007／慰めの報酬のefnのレビュー・感想・評価

　雪の中でヴェスパーを忘れて007になりきる、このボンドならざる詩情。（この前のシーンが砂漠の黄色で雪の白に対応しているの中々）カジノ・ロワイヤルのトラウマを克服しつつ娯楽に回帰する、という橋渡しを十分にはたしている。世間で言われているほど酷くはないし、コンセプトさえわかっていれば十分に面白い。
　プッチーニを観劇しながらの密談や外壁の爆発に合わせた銃撃など並行したアクションも良好。クリスカットが多いため混乱しそうなシーンも多いが、全く芸のなかったマーティンキャンベルに比べれば問題ない。