Kou

007/慰めの報酬のKouのレビュー・感想・評価

007/慰めの報酬(2008年製作の映画)
3.5
原題は『Quantum of Solace』
(ほんの少しの慰め)
『慰めの報酬』も間違ってはないけど
原題を意識して観るとより面白くなる
タイプの作品に感じましたね。

というわけで今回は、傷ついた者が得た
(ほんの少しの慰め)とはなんだったのか、
それを考察しながらのレビューとなります。



前作『カジノ・ロワイヤル』で
最愛の女性ヴェスパーを失ったボンド。
彼は任務としてよりも、復讐として
謎の組織を追いかけるようになり、
その結果が裏目裏目に出てしまう。
彼はヴェスパー亡き今も
亡霊に取り憑かれてしまっているわけです。



(彼女の名前がつけられたカクテル🍸を飲んで
過去に囚われ続けようと飲み続ける
シーンなんかは特に印象深いですね。
彼女への愛としがらみが伝わるいいシーンです)



そんな中出会ったのが本作の
キーパーソンである、カミーユ。
彼女もボンドと同じく、親しい人を殺され
復讐に命を捧げていたのだった。
そんな、同じ痛みを持つ彼女に協力し、
無事復讐を果たしてあげたボンド。
しかし、彼女の心に残ったのは(虚無)
ただ、それだけだった。



なんにもない故郷で、なんにもない顔で
車を降りようとするカミーユは
最後、ボンドにキスをします。
これがタイトルにもある
(ほんの少しの慰め)だと
自分は考えてます。



復讐を果たせたお礼。慰めの報酬。
それは、なんにもなくなった、
生きる意味すらなくなってしまった
彼女から送られる最後のキス。



ここでようやく、ボンドは気づくわけです。
復讐は、なにも生まないのだと。
死者は復讐なんて求めていなかったんだ、と。



ラスト。
ロシア🇷🇺へ飛んだボンドは
ヴェスパーを騙して死に追いやった
元凶ともいえる元恋人の男を見つけます。
しかしボンドは殺さずに、Mに引き渡すのです。



ヴェスパーの悲しい過去と
ようやく決別できたボンドは、
降りつもる雪❄️の中に
ヴェスパーの首飾りを捨て、去って行く。
こうしてボンドは、本物の007となったのです。



世間的評価は前作よりも低めな本作。
あれ♠️にはどうやったって勝てません。
それに、ヴェスパーやM、マドレーヌ。
ボンドが頼ってきた、そして
これから頼るであろう女性もいません。



しかし、カミーユがいたからこそ
負の連鎖の世界に陥る事なく、
スパイとして生きる道を見出せたんです。
そんな、悲しい影の立役者から送られたものこそ
この(慰めの報酬)なわけです。
実は意外と深〜い本作、
ぜひ一度観てみて下さい😁



(おまけ)
「こんなスタイルになりたい!」とか
「こんな顔になりたい!」って
具体的にイメージする習慣をつけると
直接的には変化はないものの
ささいな表情や仕草が願った人に近づく
っていうネットニュースを読んでから
もう数年が経ちました。



携帯の画面、ずっとポールウォーカーだけど
全然1mmたりとも似んのやけど。
おれ、毎日見て願ってるんだけど🤔
数年ぶりにあのネットニュース探して
コメントでぼろくそにしてやろうと思います。



2019年9月上旬 42本目
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