えいがうるふ

悪魔を見たのえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

悪魔を見た(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

序盤がやたらサクサク進んでめっちゃ展開早!と思っていたらその後が延々とエグいので覚悟が必要。
要は全体のボリュームがとんでもないフルコースなので、うっかり前菜でお腹いっぱいになってしまう人はデザートどころかメイン前に胃もたれリタイアしたくなるかも。イ・ビョンホンの甘いマスクも激辛キムチに振りかけた粉砂糖ぐらいの効果しかない。(いや確かにそれも絶妙にいい味醸してるんだけれども!)

ちなみに途中で出てくる皿もいちいち味が濃い。こんな弩級サイコ、チェ・ミンシク一人でじゅうぶんお腹いっぱいなのに特濃仕立ての脇役が次々出てきて心が休まる暇がない。
どんだけ治安悪い国なんよ?こんなんじゃ、おちおち外出もできん!

それにしても韓国映画の猟奇犯罪ものって表現のえげつなさが半端ない。沸点の低さが特徴というか、「目には目を」がやたら暴走しがち。もちろん復讐となれば倫理観なんて最初から吹き飛んでて、やるとなったら容赦なく身も心も徹底的に崩壊するまで突き進む。
というわけでとりあえずグロいの苦手な方は避けといたほうが無難な作品。

かくいう私も昔はタランティーノで吐き気を催して途中リタイアするほどバイオレンス耐性低かったのに、こんな作品でも目を逸らさずに最後まで観られるようになってしまうとは。慣れって怖い…。

結局、ラストシーンでの主人公の表情がこの作品が訴える全てなんだと思った。
復讐はどんな結果になろうと虚しく誰も救われない。愛ゆえにその愚行に突き進む者も最後にはそれを悟る。つら・・