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悪魔を見たのメタのレビュー・感想・評価

悪魔を見た(2010年製作の映画)
3.9
悪魔に対峙するには、人間をやめなくてはいけない。


「幸せになることは簡単なことなんだ。人を辞めてしまえばいいのさ。」
(魍魎の匣 京極夏彦)
このセリフを思い出した。


生まれもっての悪魔と
悪魔になってしまった男。

警察官でもある彼が豹変する。それは、人間は誰しも「悪魔の種」を持っているということを意味する。

しかし、だ。
悪魔になってしまった男は、最後の最後に涙を流す。やっばり、彼は『人間』だということを意味すると思う。私にはそう思えた。ここでいう『人間』という概念は、とても主観的で感覚的なものなのだけれど。


さてさて、ストーリー的にはツッコミどこ多いかもしれません。
けど、異常殺人者役のチェ・ミンシクの演技で、すべてを持ってかれました。
まさに悪魔です。
もう、凄まじい役への入り込みよう。彼の顔が何度も画面いっぱいに映りますが、とても演技には見えない。迫力。狂気。最高に怖い。

一方、イ・ビョンホンは、時々 T-1000に見えます笑



最後に気になったこと

・殺人者の幸せと我々の幸せは両立するのか?
サイコパスという存在。人間という「生物」としてのリミッターが外れている。
私たちから見たらありえないが、彼は死ぬほど幸せなのだろう。彼の理屈、動機のもと、やりたいことを100パーセントやりきる。これができている人は、一般的には幸せなはずだ。

サイコパス研究の成果により、彼のようなイレギュラー的存在がたしかに確認されてきた。そんな中、どう道徳、倫理を組み立てればいいのか。彼の理屈で動かれたら、私たち一般人は、たまったものではない。
教科書に書かれているような道徳感は役に立たないように思える。良い悪いでは割り切れない。人類学、幸福論がどのように道徳を編集していくのだろうか。