塔の上のカバンツェル

ザ・トレンチ 塹壕の塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

ザ・トレンチ 塹壕(1999年製作の映画)
3.6
1916年夏、第一次世界大戦のソンム。
7月1日のイギリス軍のソンム攻勢に待機する兵士たちの2日間を描く。

兵士の仕事の8割は待機することにある。

戦争映画では普通省略される、戦場での兵士の営み、塹壕を掘る、飯を食う、待ち続ける…。この映画は、そんな戦闘と戦闘の合間の、営みにフォーカスをしてる点で貴重である。

演出が少々ありきたりだったり、編集に違和感を感じる瞬間はあっても、俳優の熱演と塹壕という密室空間、ひたすらその瞬間を待つ若者たちの緊張が凝縮された1時間半だった。

敵兵の姿は捕虜にしたドイツ兵の若者だけで、戦闘シーンもほとんどない点では、「ジャーヘッド」の構成に似ている。
しかしながら、戦闘シーンが無くても、いやないからこそ、戦争の一面を切り取れているのではないでしょうか。
兵士たちの戦場での日常を描くことで、密度が高い映画であると感じさせる。