菩薩

レッズの菩薩のレビュー・感想・評価

レッズ(1981年製作の映画)
3.8
自由主義と言いながら単に浮気性な癖に旦那の貞操には滅法厳しい自分勝手すぎるダイアン・キートンが可愛すぎて振り回されたくなる。けどそんな彼女は逆に延々振り回される事になる、夫は一介のジャーナリストの座を捨て、他国の革命に身を投じた。ロシアを赤く染めた革命、確かに権力は人民の手に、彼らの声が大きなうねりとなり、世界を飲み込もうとする瞬間を二人は目撃してしまった。夫は理想の世界を実現しようと生きた、妻は理想の夫婦を実現しようと生きた、私達の関係性は何?人生こそが革命なのだとしたら、それはまさしく同志の表現以外に無いだろう。彼は社会主義者だった訳では無い、崇高なる理想主義者だったのだ、そして命を燃やし尽くしたのだから、悔いは無いだろう。妻としての心残りがもしあるのなら、あの日あの人について行かなかった、行けなかった事だろうか。手と手を取り合い、必死に世界を繋ぎ止める、革命も愛にも必要なのは、そんなちっぽけな覚悟なのかもしれない。
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