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影なき殺人のotomのレビュー・感想・評価

影なき殺人(1947年製作の映画)
5.0
魔女狩りに赤狩り等々、正義の名のもとに善良な市民を時として文字通り鬼にさせる結構あるあるな冤罪系事案。わりと最近ではハネケの『白いリボン』でも似たような感じだったな。今作に至っては、更に事件を利用する人間の大小様々な悪意が入り乱れて、一筋縄ではいかない人間社会を上手く表している。「ひとりの命は社会より重い」と考える検事が殆ど弁護すると云う超展開(実話)で各々が宣言する不安定な正義に疑問を呈する...正義。胸熱。それぞれに見事に突き刺さるブーメラン哉。エリア・カザン作品に良く見かける役者とで重厚な作品に仕上がっているんじゃないかと思われる。
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