なつめ

ハワーズ・エンドのなつめのレビュー・感想・評価

ハワーズ・エンド(1992年製作の映画)
4.1
原作を読む助けになるかと思って視聴。しかし原作ありの映画にありがちな、あらすじをむりやりカバーする感じがなくて面白かった。男女/階級間の衝突がテーマなのかな、衝突ではあるのだけどどきつくない。イギリス風なものごとが好きだったり、愛着を持って住む場所としての不動産について夢があったりすれば心惹かれる映画だと思う。姉妹の縦長なアパートもウィルコックス家のロンドンの家も、そしてもちろんハワーズ・エンドも、どれも眺めがいがあった。

姉の恋愛も妹の恋愛も、細かい経緯はすっとばしているのが逆にリアル。生まれ育った家の気風からすると無理じゃない?っていうふたりが意外と続くのね。姉の相手なんてちっとも面白くなさそうだけど、別に共通の話題がなくたってよくて、生活を切り盛りするペースが一緒なら快適なんだろう。そういうことはあるだろう。お金がない人に対する扱いが雑なのが、一生雇われの身の自分からするとやや興ざめなのだけど、各種物件、衣装、味わいあるやりとりがぜんぶよかった。
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