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名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)のbackpackerのレビュー・感想・評価

3.0
◾︎劇場版名探偵コナン第14作

【作品情報】
公開日   :2010年4月17日
作品時間  :102分
監督    :山本泰一郎
製作会社  :小学館、よみうりテレビ、日本テレビ、小学館集英社プロダクション、東宝、トムス・エンタテインメント
脚本    :古内一成
原作    :青山剛昌
音楽    :大野克夫
撮影    :野村隆
配給    :東宝
主題歌   :『Over Drive』(GARNET CROW)
出演(声) :高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、山口勝平、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、松井菜桜子、湯屋敦子、永井一郎、他

【作品概要】
毛利小五郎担当声優が、神谷明から小山力也にバトンタッチされた劇場版の第1作。
「ばっかもーん!」でお馴染み永井一郎の演じる鈴木次郎吉は初登場だが、永井氏が2014年に亡くなったため、彼が演じる鈴木次郎吉が登場するのは、本作のみとなっている。
バイオテロパニックが物語の土台となっているが、コロナ禍を体験した現代においては、その描写から受け取る緊迫感等が格段に増しているのではないか。作品の見方や評価が時代により移り変わるものであることは、大衆娯楽アニメ映画であっても同様である。

【あらすじ】
長らく活動していなかったテロ組織『赤いシャム猫』による国立東京微生物研究所襲撃・爆破・殺人バクテリア強奪事件に震撼する日本。
そんな中、鈴木次郎吉からの招待を受け、世界最大の飛行船に乗り込み、怪盗キッドと対決することとなったコナン一行。
いざ対決!と思いきや、飛行船が『赤いシャム猫』にハイジャックされたため、コナンとキッドは渋々ながら一時休戦することになり……。

【作品感想】
巨大飛行船でテロ組織とバトル!っておいおい、この小学生探偵と仲間たちは、どこまで突き抜けていくつもりやねん。
コナンの荒唐無稽さは、いよいよ受け入れられる人間以外を積極的にふるい落とそうとし始めたようにも見えます。
そもそもコナンは、少年誌連載の少年漫画であり、舞台設定が現代日本風で、多くの点では現実世界に準拠して作り込まれてはいるものの、実はフィクションラインは結構高めな作品です。
時折私もその事実を忘れるのですが、フィクションライン高めという前提を念頭に見るよう注意したいと思います。

「なんでも解決してくれる」系の舞台装置が山ほどいる当該シリーズですが、鈴木財閥はかなり上位の便利アイテムですよね。
園子及び彼女の属する鈴木財閥絡みの話題が出れば出るほど、「やはり世の中、金と権力」と再確認できるため、とても教育にいい作品だなぁとしみじみ思います。
歩美・元太・光彦のガキンチョトリオは、非常にナチュラルに甘い汁を吸う術を身につけてきていますので、どうかこのまま健やかに、タチの悪い正義へと育って欲しいものです。
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