昔NYで、初めて生でゴスペルを聞いたときあまりの衝撃にブワッと涙が出たことを覚えてる。
同じ人間とは思えないほどのパワー、歌というか全身音楽みたいな声のハーモニーだった。
この映画も、そんな歌による生命の爆発が体感できる。不良たちが音楽の力でひとつになっていき、尖っていた心がウーピーによって少しずつ溶かされていくお話。
なんといっても見所は若かりし頃のローリンヒル。彼女の歌声が素晴らしすぎて、ラストのjoyful joyfulは毎度目頭が熱くなる。
歌いたいという夢を持ちながら、それでは食っていけないと親に反対され苦しんでるローリンヒルに、ウーピーはリルケの「若き詩人への手紙」を手渡します。
朝目覚めて、詩を書きたいと思っていたらあなたはすでに詩人。
朝目覚めて、歌いたいと思っていたらあなたはすでに歌い手。
そしてこの映画の5年後、ローリンヒルは「The Miseducation of Lauryn Hill」で1200万枚の大ヒットを飛ばす世界的なシンガーになるわけです。
映画が終わったあとの現実まで、最高にして完璧な結末。