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天使にラブ・ソングを2のtakのレビュー・感想・評価

天使にラブ・ソングを2(1993年製作の映画)
3.9
ミュージカル「Mama I Want To Sing」の舞台をテレビで観たことがある。アフリカ系アメリカ人の少女が過酷な状況を乗り越えて歌手を目指す物語。主人公にとって音楽は光であり、癒しであり、救い。その感動の記憶が「天使にラブソングを2」を観るとよみがえってくる。

第1作で聖歌隊で教会の危機を救ったシスター・メアリー・クラレンスことデロリス。その経験を買われて、悪ガキだらけの荒れたハイスクールの危機を聖歌隊で救う物語。結末はわかってるし、デロリスが教師なんて似合わないと思いつつも、前作同様引き込まれずにはいられない。だって、ウーピー・ゴールドバーグの尼僧姿を見るだけで、幸せな気持ちになれそうな気がするからだ。そして結末はもちろんハッピー。

やる気のないシスターたちよりもガキに手を焼くデロリス。でも彼ら彼女らにはそれぞれに抱えているものがある。デロリスが本作で成し遂げるのは魂の救済。偽物シスターだったデロリスが、本作ではシスターとして子供たちを導いているように見えるのだ。

第1作のレビューでも書いたが、「天使にラブソングを…」は、ビング・クロスビーが聖歌隊で少年たちを導く「我が道を往く」のスピリットの継承だと思う。そして第2作目はまさにそのもののストーリー。前作を観て僕が勝手に思ったことは、まんざら思い違いでもないんだと思った。

歌うことを許されない少女が両親と和解するラストは感動的。寄付金を募る場面で、Dancing In The Streetを歌うウーピーがカッコいい。ジェームズ・ブラウンがガウンをはねのけるモノマネまで飛び出して、楽しくて仕方ない。聖歌隊のステージでは、第九にラップやヒップホップが加わる面白さ。この曲のカッコよさは年末に聴くだけじゃもったいない。エンドクレジットでは、キャスト全員によるAin't No Mountain High Enough。

ディズニー傘下の実写部門、タッチストーンピクチャーズ作品。この頃の作品は良作が多かったよなぁ。
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