小一郎

おいしいコーヒーの真実の小一郎のレビュー・感想・評価

おいしいコーヒーの真実(2006年製作の映画)
3.7
先進国で気軽に飲まれているコーヒーだけど、その生産者たちは、低所得にあえいでいることを明らかにするドキュメンタリー。

生産者はコーヒー発祥の地とされるエチオピアが取り上げられている。2006年の作品だけど、商品相場に左右されるコーヒー豆価格の下落で、コーヒー豆農家は、子供に教育を受けさせることが満足にできない状態。もともとコーヒー飲料の小売価格に占める原材料の割合は極めて小さく、コーヒーについて美味い、不味いを言っている場合ではないという気分になる。

貧困にあえぐコーヒー豆生産国の農民は、コーヒー豆より高い値段で取引される麻薬の原材料を育てている。いけないこととはいえ、背に腹は代えられない。それだったら、コーヒー豆の価格を上げてくれ、ということだろう。

というようなことを見て、「コーヒー豆生産国の政府は何してるんだ」と思っていたら、WTO(世界貿易機構)閣僚会議のシーンがあり、そこでは先進国のエゴが全面に出て、マスコミからは「世界的な貧困より企業の利益を優先した」と言われる始末。

今年見た『ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償』でも「世界的な貧困より企業の利益を優先」する姿勢が浮き彫りになっていたけど、10年近くたっても実態は変わっていない。先進国の国民としては、なんともつらいところだけど、こういう事実も受け止めて、良いコーヒーを適正な価格で飲むように努めようかと。