ひろゆき

おいしいコーヒーの真実のひろゆきのレビュー・感想・評価

おいしいコーヒーの真実(2006年製作の映画)
3.9
銀幕短評 (#137)

「おいしいコーヒーの真実」
2006年、イギリス、アメリカ。 1時間18分。

総合評価 77点。

「A FILM ABOUT COFFEE」(86点)しか、コーヒーを題材にしたドキュメンタリー映画を知らなかったが、どうも 8年先行している本作が下敷きになっているようだ。

やさしい邦題に対して、原題は “BLACK GOLD”。文字通りでは「黒色のこがね」= コーヒー という意味になるが、隠喩として「その黄金を吸い取られる黒色人種」という意味を掛けていると思う。

わたしは長年のコーヒー好きで、あちこち飲み歩く。映画の中で扱っている スペシャルティ・コーヒーに分類されるものをほぼ毎日 愛飲し、それらはざっと一杯 500円といったところ(調子がよければ 産地別にいちどに 4杯くらい飲む)。

コーヒーが飲めるまでには、栽培、加工、焙煎、豆挽き、抽出 の各段階を経るところ、豆の知識や産地による特性には興味があるものの、栽培・加工国の経済状態にまでは注意を払ってこなかった。

たとえばピッキング。不良豆を手で選り分ける作業だが、本作で取り上げられるアフリカのエチオピアでは、ひとりが 1日働いて 米50セントにしかならないという。

コーヒー産国の悲痛な現状を淡々と追い、先進国の 華やかなバリスタコンテストや買付けでのカッピング、各国ショップでの客のゆったりした憩いなどと、鮮明に対比させる。毎日の困窮と 何もえがくことのできない未来と。

国際間での富の偏在(あるいは搾取)、大国との経済力 国際交渉力の圧倒的な格差、たたかおうにも見えない相手。

こういう問題に思いを巡らせるには、まず おいしいコーヒーを飲む必要がある。各コーヒー屋さんの店頭に、産地に直接届く募金箱があるといいのだけれど。

ただ、コーヒー豆を継続して消費していることで、わずかなりとも経済支援になっていることは確かだ。