コーヒー関係のドキュメンタリーを続けて。
ア・フィルム・アバウト・コーヒーの中で言われていた「コーヒーは箱に入った規格品じゃない」というのが違った意味で身にしみる作品だった。
決して映画として面白い作品ではない。
でもコーヒーを愛好する者なら知っておかなければならない現実。
大きいマーケットを支配する大企業のせいで、労働と商品価値に見合った報酬が得られないコーヒー農家の貧困。
子どもを学校に通わせることもできない。生きていくために、麻薬の栽培まで始めなければならない。
それをなんとか改善したいエチオピアのオロミオ地方の農協連合会のダッセルさんの努力が泣けてくる。フェアトレードができる先を見つけて農家の生活を救いたいと。
実際彼の売り込む豆の品質の良さを理解してくれて、市場価格ではなく商品価値を重視して買ってくれる企業も出てきているわけで、それが近年のスペシャルティコーヒーの市場の拡大にも繋がっていると思うと、本当に偉大な努力だと思う。
いつも買ってるコーヒー屋さんで作中に出てくるエチオピアのイルガチャフェを頼んだことがあったけど、本当に香りが良くて、いいコーヒーだったのを覚えてる。
エチオピアのコーヒー農家の人たちがフェアトレードで得た利益をどうするか話し合うシーンがあるんだけど、子どもたちのために学校を作ろうって。しかもお金が足りない分は、自分たちで出そうって。生活が苦しいのに。
そんな人たちからこれ以上搾取なんかできるだろうか。
仕事とモノには適正な対価が払われる世の中でなくてはならない。先進国も途上国も関係ない。