食事会の席で家族みんなで歌う
"I Say a Little Prayer" が好きで、
巻き戻して何度も観てしまう。サントラも持っている。何なら原曲より、こっちが好きだ。
あれこれ策を練り、努力をすればするほど、空回りして、どんどん取り返しの付かない状況に自分を追い込んでしまう主人公の負け犬の遠吠えに、これでもかというくらいに優しくハミングを添えてくれる名曲懐メロの数々が最高。この映画の何がいいって、やっぱり、それは音楽かもしれない。
恋愛が苦手なアラサー女子がなんとか婚約中の元彼を取り戻そうと奮闘するだけのストーリーで、何が面白いのかと問われれば、説明するのが難しいのだが、繰り返し観たくなる映画のひとつ。
登場人物はどこにでもいそうな平凡なひとばかり。気付くのが遅すぎたり、馬鹿げたプライドが邪魔したり、なかなか上手くいかないヒロインの人生。
そこに、ハンサムでチャーミングなゲイの親友が、まるで天からの声みたいに
「彼は彼女を追いかけていて、君は彼を追いかけている、君を追いかけているひとはいない。」
などなど、名言の数々で、観ている私の完璧ではない人生まで皮肉ってくる。
仕事も恋愛も完璧じゃない。でも、なんだかんだ人生の山やら谷やら経験して、なんだかんだちゃんと生きている。人生に完璧なハッピーエンディングなど期待できない、でも、まあ、それでいいのかも、と前向きに自分の人生を重ね合わせることができる映画だと思う。
この映画の何がいいって、やっぱり、それは平凡な人の平凡な人生のドラマを面白おかしく肯定してくれる、やさしさかもしれない。
