めちゃんこ面白い！！！純度100%の娯楽作でありながら愛と欲、ひいては人生についてこれでもかと余韻に浸れる哲学的な面もある素晴らしき傑作！！
最後までどうなるのか先が読めない群像劇の入り乱れが緊張感を持続させ、あのシーン要らないんじゃね？と思いながら見ていた疑惑を伏線に変えてしまう華麗なる着地が美しく、終わって全体像を見渡した時に響く「誰にも奪えないし取り戻せない」という台詞の感慨深さがハンパじゃねー！！
人との出会いは奇跡のようでも悪魔の選択のようでもあるし、得られなかった愛と進めなかった道の前で如何に生きるのか、愛とは感情なのか本能的な欲求であるのかなどの「人生」というものの意味に圧倒されて泣きそう。
大筋は昼ドラみたいな虚構の娯楽としてはとてもストレートなものなんだけど、キャラクターが生き生きと感情豊かで、ダメなところと魅力的なところと相反する人間らしさが愛おしく、劇的な展開も一周回って「事実は小説よりも奇なり」と虚構を超えちゃうような生々しさがあって、ドンドコ響くリズミカルな音楽と、独白を歌に乗せちゃうセンスと、テンポよくコロコロと糸が絡まり解けて行く見事な演出と、娯楽としても超一級なのに映画の構造的にも上手すぎて座布団10枚ものだし、それらをドヤ感なくアッサリと仕上げ、ヘビーなほどに人生っちゅーもんを考えさせる余韻を残してしまうアルモドバルの手腕に心底感動した。めちゃくちゃクール！
レンタルがなく安かったから購入してみたけど、これはとても良い買い物！これから何度も見たいから買って大正解だった。
