ちどりん

セデック・バレ 第二部 虹の橋のちどりんのレビュー・感想・評価

4.2
日本人皆殺しから始まった村の襲撃は第二部ではいよいよ本格的な日本軍対セデック族との戦いへと突入する。
山を熟知し、狩をしてきた民族の周到に練られた攻撃が降り注ぐ。

セデック族の女性たちや日本の警察官として働くセデック族の花岡一郎と二郎の2人が自決するシーンはやり切れない。
報奨金を出して同部族同士を殺戮させたり(どっちがどっちか見ていてわからなくなってしまった)、非道な毒ガス作戦をしたりと一部より二部の方が複雑な気持ちで観ることになった。

村同士の因縁など戦いの意味も深く、大人へと成長していく子供たちや、戦士として貫くセデックたちなどのさまざまな想いが盛り込まれている。

ディーンフジオカが日本兵の役で出ていたのには驚いた。
セデック族の役の人たちが山の中を裸足で凄いスピードで駆けるのも大変だっただろう。
大量の爆撃で人が飛んだり打たれて倒れる人たちの演出もリアルで迫力があって素晴らしかった。

赤い桜と木から舞い散る火の粉の対比の映像が印象的。
赤い桜はセデックの血の涙のようでもあった。

ただ一点、爆発をセデックたちが襲いかかったように表していたり虹の橋を渡る様子をありありと映像化するのだけはいただけなかった。
他の技法で表現してほしかった。
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