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セデック・バレ 第二部 虹の橋のsonozyのレビュー・感想・評価

4.5
(以下、第一部と同じ内容です)
1895年〜1945年までの50年間に及んだ台湾の日本統治時代。
教育による日本人同化運動を進める一方、原住民に対しては警官たちによる強制的な労働や差別待遇などの高圧的な統治で、狩場を失い、独自の文化・習慣がないがしろにされた原住民は反感・恨みを募らせていた。

霧社セデック族村落の一つマヘボ社の頭目モーナ・ルダオの長男、タダオ・モーナが1930年10月7日に起こした日本人巡査殴打事件を機に勃発した、日本統治時代後期の最大規模の抗日暴動「霧社事件」の史実を描いた、二部構成・4時間36分に及ぶ歴史超大作。

タイトル『セデック・バレ』とは“真の人”を意味するセデック語。
原住民族のアイデンティティーを賭けた戦いに挑むセデック族のキャストには原住民が採用されていますが、みなさん素晴らしいリアリティ。
安藤政信、木村祐一、母親が原住民族出身の台湾人女優ビビアン・スー(変わらぬキュートさ)らも出演してます。

頭目モーナ・ルダオ率いるマヘボ社を中心とした6つの社(集落)の男たち300人ほどによる暴動で、日本人約140人が殺害され、その後の日本軍の反攻で原住民約1,000人が死亡、約550人は投降したという約2ヶ月に渡る「霧社事件」。

統治していた日本軍、頭目モーナ・ルダオ、セデック族の男・妻・子供、親日派の部族、原住民出身で日本の警察官となった2人・・
それぞれの憎しみ、恨み、家族愛、苦悩、葛藤などさまざまな感情の交錯をまじえながら、生々しい戦闘が描かれます。

台湾と言うと東日本大震災時の250億円を超える義援金など親日のイメージを持っていましたが、こんな歴史があった事を始めて知りました。(そもそも歴史に弱いんですが。。)

台湾金馬奨: グランプリ、観客賞、助演男優賞、オリジナル音楽賞、音響効果賞、最優秀台湾映画人賞。
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