刑期を終えて出所してきた窃盗犯が、立ち退きの危機に直面している孤児院を救うべく、バンド活動を始めようとする。アメリカの人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」の音楽コーナーを長編映画化している、ミュージカル・コメディ。
善いことをしようとするのだが、あらゆる局面でトラブル・メーカーとしての本領を発揮。単なる良い子ちゃんでいられない兄弟が、あちこちで迷惑を掛けていく。本作は「自己流で善行を積むこと」を教示してくれた、筆者にとってのバイブル的な作品でもある。
取り扱っている音楽は、ブルース、ソウル、R&Bなどのブラック・ミュージックが主体。本編内においても、人種差別なんてクソ食らえ、音楽は音楽なんだから、とことん楽しめばいいじゃん的な演出に終始一貫している。
クライマックスのカー・チェイスは、何度見返しても愉快痛快この上なし。若年期に本作と「サボテン・ブラザース」の洗礼を受けた人間は、良い意味でアホを引きずったままのオトナになっているので、心より信頼を寄せることができる。