台湾映画って、クリーンなのに湿度が高いところが好きで、湿度って匂いがあるというか、生活感があるというか。そういう意味でこの映画は、あまり湿気を感じなくて、悪く言えば人工的な印象だった。
物語は普遍的なもの、優しく暖かく13歳という年齢から見える世界を描いている。ボーイミーツガールだったり、13歳のイマジネーションを描いた映像は単純に素敵で、「どこの映画」とか関係なく、良い映画だと思う。
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とっても素敵な映画なのだけど、「多さ」が気になってしまって。モチーフとか、表現としての道具が。
数々の名絵画、ジグソーパズル、転校生、折り紙、向かい合わせの窓、木彫りの人形、祖父、影、万引き、シンメトリーな構図、雪の結晶、星。
なんだろ、こういうのって、絞っておくべきなのかもね。効果的に作用したものと、一過性の使い捨てとがあったり、「もっかい出てきたりするかな」って期待してたのが出てこないがっかりがあったり、なんだか気が散っちゃうな。本当に大事な表現が、紛れちゃう。
イマジネーションの表現としては素敵だったけど、派手な道具は少ない方がいい、と思いました。
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去年公開してたから最近の映画だと思ってたけど、これ2011年だったのな。主人公の少年少女はもう大人になってるのか…。