ジャッキーケン

ミザリーのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

ミザリー(1990年製作の映画)
4.6
大人気小説シリーズ「ミザリー」で売れっ子の作家が続編の原稿を書き上げ雪道をドライブしていたら事故に遭遇、瀕死の作家を助けたのは「ナンバーワンのファン」と豪語するキャシーベイツだった!
ぱっと見もの優しげなキャシーベイツは物語の結末に大激怒、好きであるがゆえにキャシーの行動がエスカレートしていく…

サイコスリラー映画の中でもオールタイムベストに位置するほどの傑作に遭遇!

見る前はキャシーベイツのことを勝手に「ミザリー」だと思ってた!

物語は主にキャシーベイツの家で展開されるのだけど足に重傷を負ってるだけに全然逃げられない!キャシーベイツが納得するストーリーを書き上げなければ自由の身になれないという作家にとっては地獄の片道切符を地で這うことになってしまう!

キャシーの家で身動きが取れないというホラー映画としては躍動感を出せないというハンデをキャシーベイツの常軌を逸した怪演で画面は動かずとも恐怖をモノの見事に植えつけてくる

人気作家が失踪してるからもちろん地元警察も動くのだけど手がかりがほとんど掴めず、後半まではマジで主人公が気の毒すぎるし、地元の保安官が還暦余裕で過ぎてるおじいちゃん、おばあちゃんだから信頼度低い!!

待てど原稿を書けど警察は来ないことを悟った主人公は自力で脱出しようと試みる。

鎮静剤をちまちま集めてキャシーが飲むワインに上手いこと混ぜて乾杯するも乾杯でそのワインをこぼしてしまって呆気なく計画失敗というシーンは心の底から「うわぁ!やっちまったー」と思った

鋭いキャシーが主人公が脱出を試みてると気づいた時の恐怖、キャシーベイツの顔がドアップで暗闇から映るシーンはすげぇクラシックなホラー演出だけど超絶ビビる
「リチャードジュエル」で記憶が新しい優しいお母さんのキャシーベイツが記憶から抹消するほどサイコなキャシーのインパクトがヤバ過ぎ

ミザリーがあまりにも好きすぎて新作で好きなキャラが死んだから作者にブチギれて「書き直せ!」「こんな結末受け付けねえ!」とかいやいや作者にここまで狂信的にストーリーを変えろってあまりに乱暴すぎない?

って思ったけど「最後のジェダイ」見た後のスターウォーズファンが正にそれで、この映画はスターウォーズ続三部作の行く末を予言したのではないのか!予言映画じゃん!

キャシーのことを狂信的ファンすぎてサイコだとおれは言うけどこれはどの熱狂的ファンにも言えることではないのか?決して自分はそうじゃないと言い切れないのがまた怖いところ

保安官がキャシーの家で捜索し、主人公を見つけるも、、、まさかの展開にマジかって声が漏れた!そしてキャシーの最後の願いがサイコそのもの!

極め付けはラスト
サイコホラー映画として最高に怖いラスト
難は去ったとしてもトラウマは永遠に残るという終わりのない恐怖!
ファンが最大の恐怖になるとか俺なら引退待ったなし!

名作ホラーだし見る価値はあるだろうなーって思って軽い気持ちで見たらオールタイムベスト級に「人が怖い」映画だった!
体が動くことはないのに感情はジェットコースター状態になる!最後の最後まで最高の怖さしかもホラーを武器にしてるわけじゃないロブライナーがこれほどの恐怖映画を撮ったのがスゲェよ!!!

今年ベスト級