Kei

となりのトトロのKeiのレビュー・感想・評価

となりのトトロ(1988年製作の映画)
4.8
あえてこう言わせてほしい、
『となりのトトロ』初号試写観て来ました。

ラピュタに続き、
調布シネマフェスティバルで鑑賞。

スクリーンではもちろん初。

ただ、現在主流のデジタルリマスターではなく、ジブリは初号試写をめざして映画館用のマスター(DCP)を制作しています。
そのため、セルの塗り間違い、撮影時のフォーカスの甘さ、音で言えば無音時のノイズなど、全てそのまま残しています。

これは上記に書いた、フィルムでの初号試写を最高のマスターという概念で制作されているからです。もちろん、レストア作業で当時のスタッフも監修の上です。

ジブリの考え方として、
一度世に出したものを他の人間が後から手を加えたり、改変するのはナンセンスという理念で今回の上映用のマスターを作っています。スターウォーズの完全真逆の考え方です。

私はどちもいいと思います。
映画を制作する人全てが同じ考えでは、面白くないです。

上記の考え方で作られた、マスターの上映を今私がスクリーンで観るというのは、当時関係者が最初に観たものに限りなく近いものを観ているということです。初号試写は本来なら一般人は観れないものです。

誰もが子供の時に見たVHS、DVDや金ローとは全く違うものです。そのため何度も観て、セリフも覚えていますが、映画体験として初めての物でした。

『さんぽ』最初の一発目の音から『おぉ!』と声が出そうになる音。セリフもクリアだし色も綺麗。森の緑はもちろん、あのシーン本当はこんなに小さいSEが鳴っていたのか!とか、様々な発見が、各シーンにあり、本当に初見と言っても過言ではないです。

この仕様の上映は今後も是非続けてほしいと思います。
Kei

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