リッジスカイウォーカー

となりのトトロのリッジスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

となりのトトロ(1988年製作の映画)
4.9
お話の内容は、田舎のボロ屋に住んで、病気のお母さんの帰りを待つという、なんとも起伏もなく、驚きもない、淡々としたものなのに、なぜここまで惹きつけるのだろう?
ものすごく不思議な魅力に溢れた作品。

ジブリのアニメを見る度に思う、動きの緻密さ。手書きだからこそ描き出せる温かさ。すごいの一言。

母親が帰れないことを知って、姉妹ゲンカする場面は、気持ちがずしーんと伝わってきて、自然と涙が…。
涙腺、ホントに弱くなったなぁ…(/ _ ; )

トイレをお便所と言ってるのが結構衝撃w 今は言わないんじゃないかなー。
昔はたしかに便所って言ってたな。
いろいろと昭和(自分の子どもの頃)を感じられていい。
お風呂だったり、食卓だったり、蚊帳だったり、昔の暮らしの日常を感じられる。
これはもう貴重な資料なんでは?っていうくらい。

トトロという愛らしい妖怪(?)を通して場面にアクセントを出して、その可愛さで見たい気持ちを維持させることはもちろんあると思うのですが、それよりも、メイの表情だったり、言葉だったり、なんでもないことを楽しむ無邪気さだったり、日常を投影できることが、作品に漂う不思議な魅力になってるのかもしれないですね。

例えトトロが出なくても、作品の持つ骨格は変わらない。
ある意味脇役として据えてるところが、心の描写を引き出してるなーと、大人になって見直して感じた。

子どもの頃は単純に「トトロかわいい!ネコバス早っ!まっくろくろすけ、ナンジャコリャ」くらいしか感想なかったけど面白かった!という印象だったけど、こりゃまた年月が経ったら、ノスタルジーがさらに増してきて、違う感情を引き出してくれそうです。

また忘れた頃に見たいな。