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太陽を盗んだ男のsatoのレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
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製作担当がのべ2、30人検挙されるというぶっ飛んだエピソードを持つ本作。荒削りながら、非常に迫力のある作品という印象を受けた。
ゲリラ撮影を始めとする派手な一面が目立つ一方で、細部からは安定感を感じることができる。しっかりとした土台があるからこそ、破天荒な演出がより輝いて見えるのだろう。

原爆を「魔法のランプ」にしてしまうというコンセプトがまず面白い。1文だけであれこれと想像の膨らむ優れたコンセプトだと思う。なかなかブラックだけどね笑。
キャラクターも素晴らしい。主役の城戸は当然犯罪者な訳だが、それでも彼に嫌悪感なく共感できるのはキャラクターが優れているからに他ならない。イケメンで、優秀で、猫好き、観客からの好感度がしっかりと考えられている。
サスペンス、アクション、恋愛などが要所要所で効いていて、観客の心を掴んで離さない。150分通して、飽きることなく作品の世界に惹き込まれていた。

不思議なパワーのある作品で、カルト映画と評されるのも理解できる。名作の名に恥じない作品であり、非常に楽しむことができた。
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