Yutaka

太陽を盗んだ男のYutakaのレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
4.5
日本映画史に残る傑作。昭和感溢れるチープさやB級感もありつつ、アメリカンニューシネマの影響も感じられるエネルギッシュでアナーキーな作風が心地良い。
プロトニウムを盗んで原爆を作るシーンは一貫して手作り感溢れる理科の実験のような安っぽさで面白いが、かえって一国民が作れてしまう怖さを感じる。全体的にコメディ色が強いが、シリアスのためのコメディ。
沢田研二の動機を掘り下げないのが良かった。せっかく原爆を作ったのに、政府に要求するのはナイターの延長(笑)。しまいには特に要求するものが見つからず、ラジオ局で募集する始末。無気力な人間の衝動は最も恐ろしい。
印象的なシーンが沢山あった。ボニー&クライド的な逃走劇や、高すぎるヘリコプターからの落下、女装して国会議事堂潜入など。
劇伴聞いた事あると思ったらエヴァで使われてたのか。何ならラストもエヴァみたい。
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