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太陽を盗んだ男のクリームのレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
4.2
面白かった!好き!
こんな破天荒でパワフルなカルト映画が日本にあったなんて!フィクションを楽しむ映画。ラストも良かった!見応えしかない。
中学の理科教師·城戸誠は交番で巡査から拳銃を強奪。東海村の原子力発電所からプルトニウムを盗み出し、アパートの自室で原子爆弾を完成させます。城戸は原爆を使って警察を脅迫し、野球のナイターを試合終了まで放送させます。その後、ラジオのDJの沢井零子に原爆を使って要求する事をラジオを通じて募集させます。城戸の交渉相手に指名された警視庁捜査一課の山下警部は、この「9番」を名乗る犯人·城戸の逮捕に執念を燃やすのでした。




ネタバレ↓




冒頭から飛ばして来ます。猫に催眠ガススプレーを吹き掛け気絶させるのですが、このスプレー缶はキンチョールにしか見えないww。で、成功したので、警官に吹き付け、拳銃を奪う。その後、プルトニウムを盗み出し、原子爆弾を自室で製造。これが、電子レンジを使ったり、茶こしを使ったり、やすりで磨いたり面白い。出来たプルトニウムを仏壇のおりん布団の上に置くセンスも素晴らしかった。
自室で簡単なビニールを貼っているだけで、被爆を防げる訳もなく、にゃんこも死亡し、自分は毛が抜けたり、吐血したり、激しい嘔吐と言った症状がでます。
そこまでしての要求が野球中継を最後まで中継させる事とローリングストーンズの日本公演。意味不明。
沢井玲子を海に投げ入れる荒業は目が点になった。それでも惚れてしまった彼女も良く解らないが…。
ラストは城戸と山下警部の一騎打ち。 山下警部は、3発も銃弾を受けているのに死にません。最終的には城戸を道連れに屋上から落下。 城戸のみが途中で電線にひっかかり、助かります。そして原爆の入ったカバンを持って、立ち去り、歩行者天国で城戸は風船ガムを噛みながら歩きます。ストップモーションになり、画面が真っ暗になると共に原爆の爆音が響き渡り、物語は終わるのでした。本来なら、原爆が爆発なんてあり得ないのだけど、このハチャメチャな映画のラストには相応しいと思えた。最後まで、手を抜かない仕事ぶりに拍手しかありません。
色気がありスターオーラ全開の沢田研二さんに居眠りばかりの中学校のサイコパスな理科教師をさせる。しかも学生からは嫌われていて『フーセンガム』なんて呼ばれてる。天才的なキャスティングでした。彼だから成功した作品だと思います。
また倫理観無しで、皇居にバスが突っ込むとか、妊婦に変装した城戸が国会議事堂に入ったり、渋谷の街中や東急百貨店で撮影など一般の方々をバッチリ写してます。こんなの今では全部NG。猫ちゃんも虐待してました。カーチェイスや銃撃シーンや爆破シーン。火炎放射器で火だるま。とにかく何でもアリ。
昔の映像も沢山観れて、新宿や渋谷の街並みや江夏選手に現役の王選手。試合も巨人vs大洋ホエールズ。
もうお腹一杯です。大変結構なお食事を頂き満足いえ、胸焼けがしています。
あー、面白かった。最高です。
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